Nanna DitzelのTrisse Collection — 自由に役割を変えるオブジェ
1962年にナナ・ディッツェルがデザインしたTrisseが、Fredericiaのデンマークの自社工房で製作される、自由で柔軟な使い方を楽しめるオブジェのシリーズとして再び登場します。
“ トリッセは希少なバランスを持っています — 直感的で遊び心がありながらも非常に洗練されています。すぐに理解できますが、使い方の新しい可能性を次々と示し続けます。その開放感こそがディッツェルの作品の核心です。 ”
フレデリシアのデザイン責任者、マリア・ブルーン
フォルムとクラフト
その構造はシンプルで、無垢のオーク材から削り出された台座と天板が精巧な職人技で組み合わせられています。目に見える仕掛けはありません。柔軟性は、機構ではなく、プロポーション、バランス、スケールの中に組み込まれています。
これは、家具職人としてのディッツェルの確かな知識と感覚に根ざした、明快な構造から生まれるものです。向きを変える、重ねる、転がす、持ち上げる。そうした動作が自然にできる一方で、Trisseは従来の伝統的な家具の形や概念から軽やかに距離を置いています。
FSC®認証の無垢オーク材を用い、デンマークで製作されるTrisse。やわらかな輪郭、均整の取れたフォルム、そして床にしっかりと根を下ろすような佇まいが、この親しみやすいデザインを特徴づけています。
モダンアイコンとしてのTrisse
Trisseは、英語ではかつて「Toad Stool」、デンマーク語では「Trissen」と呼ばれていました。「Trissen」は“糸巻き”を意味する言葉です。1962年に誕生し、その後2004年まで展開されてきたこのコレクションは、現在ではモダンデザインのアイコンのひとつとなり、美術館や各種機関のコレクションにも収蔵されています。オーガニックで機能的、そして固定されたカテゴリーに収まりきらないその存在は、ナナ・ディッツェルのデザインアプローチをよく表しています。
ディッツェルの作品には、しばしばこうした二面性が見られます。彼女はデンマーク・モダニズムの規範の中で学び、家具職人としての訓練を受けながらも、その厳格な枠組みの中にとどまることはほとんどありませんでした。むしろ、そこに自由さや余白を持ち込み、ものが想定された役割とは異なる振る舞いを見せるような、時にはそれ自体が声を持っているかのような感覚を生み出しました。Trisseは、そうした思想を明快に示す、彼女を象徴する作品のひとつです。
Explore Trisse Collection
1 of 10
ナナ・ディッツェルについて
デンマークデザインの“グランド・デイム”とも称されるナナ・ディッツェル(1923–2005)は、20世紀のスカンジナビアンデザインにおいて、最も先見性に富み、多才な存在の一人でした。家具職人としての訓練を受け、王立デンマーク美術アカデミーではコーア・クリントのもとで学んだディッツェルは、当初は機能主義の原則を受け入れながらも、やがてその枠を超えていきました。
詩情と芸術性に根ざした独自のデザイン言語を築き、鮮やかな色彩、大胆なフォルム、そして尽きることのない好奇心によって、既存の価値観に問いを投げかけました。60年以上にわたる旺盛な創作活動の中で、ディッツェルの作品は既存のカテゴリーに収まることなく、それでいて常に人に寄り添う温かさを備えていました。彼女が残したレガシーは、エレガンス、革新性、そして揺るぎないヴィジョンによって形づくられ、今日もなお、世界のデザインシーンに響き続けています。
1989年、ディッツェルはボーエ・モーエンセンに続くFredericiaの二人目のハウスデザイナーとなりました。家族経営の次世代を担ったThomas Graversenのもと、Fredericiaはディッツェルのヴィジョンを受け入れます。ともに生み出した革新的なデザインは、Fredericiaが受け継ぐデザインヘリテージと、現代文化の精神を結びつけるものとなりました。
もっと詳しく見る
ナナ・ディッツェルの人生、彼女が生み出したデザイン、そして彼女を知る人々のストーリーを通して、ディッツェルの世界を紐解きます。
1 of 5